公開日: 2026-05-30
「読む香水」おすすめ8選。物語をまとうニッチフレグランスに魅せられて
香水は、ひとつひとつに想いを込めてつくられるもの。その中でも、とりわけ物語や世界観を大切にしているフレグランスブランドがあります。今回は、手紙のイニシャルや架空の小説、歴史上の人物など、"物語を香りに閉じこめた"ブランドを紹介します。
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D'Orsay|手紙のイニシャルで物語を紡ぐ

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D'Orsayは、1830年、フランスでアルフレッド・ドルセー伯爵が創設したフレグランスブランドです1。ドルセーが恋人と同じ香りをまとうために香水をつくったのが始まり。創業からはもうすぐ200年が経とうとしている老舗のブランドですが、1980年ごろにはニッチなブランドの1つになっていたそう2。2015年にアメリ・フインが買収し3、2019年にはパリに初めてのブティックをオープン。ふたたび注目を集めるようになりました。
香水の名は、イニシャルで表記されています。これは、創設者であるアルフレッド・ドルセーがマルグリットという既婚の女性と恋に落ち、彼女との手紙のやり取りにイニシャルを使ったことから着想を得たもの。1つ1つの香りにどんな想いが込められているのか、想像がかき立てられます。
1. D'Orsay「A.R. Les Ombres Fantastiques」
D'Orsayの「A.R. Les Ombres Fantastiques」は、ウッディフローラルで互いに思いあう愛を描いた1本です。調香師はアメリー・ブルジョワ。カルダモンとベルガモットの繊細な出だしに、アイリスとシクラメンアコードが重なり、ベチバーとトンカビーンの力強いベースが支えます。
男性的なヴァイオレットと女性的なコールドタバコの香りが出会うとき、私たちはもう概念に強くしがみつく必要がなくなる、自分を解放するだけ。
https://dorsay.jp/products/ar-body-fragrances
2. D'Orsay「M.D. Nous Sommes Amants」
D'Orsayの「M.D. Nous Sommes Amants」は、1976年の男性用フレグランス「Nomade」をジェンダーレスに再解釈した1本です。調香師はベルトラン・デュシャフール。ブラックペッパーとジュニパーベリーのスパイシーな出だしに、パロサントの煙が重なり、サンダルウッドとシダーのウッディなベースへ。
バンブー、ブラックペッパー、アンバーグリスをブレンドした、アニマリックでセンシュアルなフレグランス。本能的で非合理的なスキンシップを体験できるクリエーション。コントロールフリークの方はご遠慮ください。
https://dorsay.jp/products/md-body-fragrances
Imaginary Authors|架空の小説を香りに仕立てる
Imaginary Authorsは、すべての香水に架空の小説のあらすじを添えるポートランド発のヴィーガンフレグランスブランドです。日本には2024年10月に進出しました4。ボトルデザインはもちろんのことパッケージも本の形になっていて、ブランドのこだわりが感じられます。
3. Imaginary Authors「Cape Heartache」
Imaginary Authorsの「Cape Heartache」は、架空作家フィリップ・サヴァの探検小説シリーズに着想した1本です。太平洋岸北西部の針葉樹林の風景と、そこでのロマンスを描いた物語が香りの背景にあります。ダグラスファーやパインレジン、ウエスタンヘムロックの針葉樹の空気に、バニラリーフとストロベリーの甘さが重なり、オールドグロースとマウンテンフォグが霧の森の湿度を立ち上げます。
4. Imaginary Authors「Every Storm a Serenade」
Imaginary Authorsの「Every Storm a Serenade」は、デンマークのバルト海沿岸を舞台にした霧深い恋愛物語を主題にしています。新進の女性小説家スティーナが母の別荘で執筆するなか、漁師ウルヴと出会う物語。デニッシュスプルースとユーカリの冷たい針葉樹に、ベチバーやカロン、アンバーグリスが加わり、バルト海の霧のアコードが湿った潮気を立ち上げます。
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Histoires de Parfums|歴史と人物を年号で纏う

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Histoires de Parfumsは、2000年に設立されたフランス発のフレグランスブランドです5。香水の名前を、歴史上の人物、出来事の年号にしているのが大きな特徴。ひとつひとつの香水が1冊の本との出会いのように、香りを通じて物語を想起させる。ボトルを棚に並べれば、蔵書を増やすように歴史と対話する気分になれるかもしれません。
5. Histoires de Parfums「1472 La Divina Commedia」
Histoires de Parfumsの「1472 La Divina Commedia」は、ダンテ『神曲』の初版印刷の年とされる「1472」を香水名に冠しています。イランイランの陽光的なブーケとホワイトアルモワーズ、シナモンとフランキンセンスの神聖な柱、ラムアブソリュートの酩酊する甘さが重なります。
天国と地獄、光と影の境は定かではなく、美食家と大食漢の違いもごく僅かだ。そしてまた、欲望の火花が、慎しみ深い魂を淫蕩の網にからめとってしまうこともある。
https://phaeton-fragrance.com/products/167100361
6. Histoires de Parfums「1804 George Sand」
Histoires de Parfumsの「1804 George Sand」は、名前の「1804」が作家ジョルジュ・サンドの生年を指しています。男装して文壇を生きた作家の寛容さと官能を、フルーティでスパイシーなアンバー・ブーケで表現した1本です。タヒチアンガーデニアやコルシカンピーチのトロピカルな出だしから、クローブやナツメグのスパイスとジャスミン、ローズのフローラルが重なります。
デュドバン家の男爵夫人となる彼女はジョルジュ・サンドという男女両性のペンネームで作家としても活躍。 恋多き彼女の寛大さと官能性を香りで体現。
https://phaeton-fragrance.com/products/148285459
Les Liquides Imaginaires|想像の物語を閉じ込める

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Les Liquides Imaginairesは、「想像の物語を閉じ込めた液体」を作ることをミッションに掲げるフランス発のフレグランスブランドです6。ダヴィッド・フロサールとフィリップ・ディメオのコラボレーションによって2011年に誕生しました。目に見えない存在である「香り」が持つ神聖な力にフォーカスする姿勢、本質を追求し続ける彼らの試みに魅了されます。
7. Les Liquides Imaginaires「PHANTASMA」
Les Liquides Imaginairesの「PHANTASMA」は、「唇の水」を主題に、心の奥に潜む欲望や秘密の衝動を目覚めさせる香りです。ブラックティーやユズ、ライスパウダーの軽やかさにジンジャーの温みが加わり、ジュニパーとサンダルウッドが芯を通します。
8. Les Liquides Imaginaires「BLOODY WOOD」
Les Liquides Imaginairesの「BLOODY WOOD」は、ワインを「神々からの贈り物」として描く、知性と官能の1本です。ワインの澱やバイオレット、ローズオキシドから始まり、チェリーやラズベリーの赤い果汁のレッドワインアコードへ。サンダルウッドとオークのウッディな温もりが底を支えます。
気になる物語は見つかりましたか?ブランドの世界観を知ってから香りを試すと、いつもと違った発見がありそうです。ぜひ、あなたの物語にぴったりな1本に出会ってみてくださいね。
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Footnotes
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GQ SHOP|D'ORSAY(ドルセー) https://shop.gqjapan.jp/collections/dorsay ↩
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WWD JAPAN|200年の歴史を持つ仏フレグランスメゾン「ドルセー」、アメリー・フインCEOのリブランディングへの思いをひも解く【香水ジャーナリスト連載 Vol.6】 https://www.wwdjapan.com/articles/1480985 ↩
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DIGIDAY|老舗 香水 ブランドのドルセー復活 伝統が差別化を生む市場 https://digiday.jp/glossy/whats-old-is-new-again-why-centuries-old-fragrance-brands-are-undergoing-a-revival/ ↩
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Imaginary Authors 日本初上陸、環境に優しいヴィーガンフレグランスが登場 https://qui.tokyo/news/2410-imaginaryauthors ↩
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<Histoires de Parfums/イストワール デ パルファム>|本のようなパッケージと香りで物語を表現するフレグランスが登場 週末には調香師が来店しコンサルテーションを開催 https://www.imn.jp/post/108057196162 ↩
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<リキッドイマジネール>AIや次世代の調香師と開発した新作フレグランス。革新のシトラス「イマジナリウム」が誕生!【伊勢丹新宿店】 https://www.imn.jp/post/108057207420 ↩
